パーソナルジムを開業するまでの費用と流れを赤裸々にお伝えします


「パーソナルジムを開業するには、いくら必要なのか」

「会社員を辞めてから、本当にお客様を集められるのか」

「物件探しや内装工事は、何から始めればよいのか」
パーソナルジムの開業を考えている方の中には、このような不安を抱えている方も多いと思います。
私は2022年1月、大阪の野田阪神にパーソナルジムの1店舗目を開業しました。
会社員を辞めて専業になり、3階建ての一軒家を借りてスタート。開業にかかった費用は、合計で362万円です。

本記事の執筆者の中田翔です。SEとして働きながら、副業でパーソナルトレーナーとしての活動を開始。現在は大阪市内でパーソナルジムを運営。
株式会社LIGHT FIT 代表
現在は株式会社LIGHT FITの代表として、パーソナルジムを8店舗運営しています。しかし、1店舗目の開業時から、すべてがうまくいったわけではありません。
特に、内装工事に100万円をかけたことや、物件をほぼ即決して家賃交渉をしなかったことは、今振り返ると改善できた点です。
この記事では、私が実際に経験した内容をもとに、次のことを詳しく解説します。
- パーソナルジムの開業にかかった費用
- 開業までの具体的な流れ
- 物件選びや内装工事で失敗したこと
- オープン当初の問い合わせ数と売上
- 広告費を抑えて集客した方法
- これから開業する人に伝えたいこと
会社員から独立してパーソナルジムを開業したい方は、ぜひ参考にしてください。
パーソナルジムの開業費用は合計362万円だった

私が1店舗目のパーソナルジムを開業した際にかかった費用は、合計で362万円です。
費用の内訳は、次のとおりです。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 物件取得費 | 70万円 |
| 内装工事費 | 100万円 |
| トレーニングマシン・器具代 | 100万円 |
| 鏡・床材・照明などの設備費 | 30万円 |
| ホームページ制作費 | 1万円 |
| 看板・チラシなどの広告費 | 1万円 |
| 法人設立・各種手続きの費用 | 0円 |
| 備品・消耗品費 | 10万円 |
| 当面の運転資金 | 50万円 |
| 合計 | 362万円 |
資金については、融資を活用して準備しました。
ただし、パーソナルジムを開業するために、必ず362万円必要というわけではありません。
私の場合は、3階建ての一軒家を借り、内装工事とトレーニング器具にそれぞれ100万円をかけています。開業の方法や物件、導入する器具によっては、もっと費用を抑えられます。
むしろ、現在の私がもう一度1店舗目を開業するなら、ここまでお金はかけません。
最初から完成度の高いジムを作ろうとするのではなく、必要最低限の環境で小さく始めます。
開業したのは野田阪神にある3階建ての一軒家

1店舗目を開業した場所は、大阪の野田阪神です。
物件は3階建ての一軒家で、各階の床面積は約30平方メートル。延床面積は約90平方メートルありました。
一般的なテナントではなく、一軒家を丸ごとパーソナルジムとして使用する形です。
当時、物件を選ぶ際に私が重視していたのは、物件のかっこいい雰囲気でした。
せっかく自分のジムを開業するなら、おしゃれでかっこいい空間を作りたい。そのような気持ちが強かったからです。
しかし、現在は物件選びに対する考え方が大きく変わっています。
今の私が最も重視するのは、雰囲気よりも家賃です。
パーソナルジムの経営では、毎月継続して発生する固定費をできるだけ抑えることが重要です。どれだけかっこいい物件でも、家賃が高ければ、その負担は毎月続きます。
見た目の良さは一時的な満足につながりますが、安い家賃は長期間にわたって経営を助けてくれます。
私が会社員を辞めてパーソナルジムを開業した一番の理由は、好きなことと得意なことを組み合わせれば、ずっと続けられる仕事になると思ったからです。
独立すると、会社員のように毎月決まった給与が振り込まれるわけではありません。
お客様が来なければ売上は立ちませんし、家賃や返済、備品代などの支払いは続きます。
それでも、好きでも得意でもない仕事を何十年も続けるより、自分が好きで得意な分野に挑戦したいという気持ちが勝りました。
パーソナルトレーナーとしてお客様の身体を変え、生活をより良くすることは、自分自身が長く向き合える仕事だと考えました。
ただし、「トレーニングが好き」という気持ちだけでは、パーソナルジムの経営は成り立ちません。
開業後、私はトレーナーとしての能力とは別に、集客やマーケティング、資金管理などの経営能力が必要であることを強く実感しました。
パーソナルジムを開業するまでにかかった期間は半年
開業を決めてから、実際にオープンするまでにかかった期間は約半年です。
開業準備というと、先に物件を探し、その後にホームページを作るイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、私の場合は、ホームページを作りながらジムのコンセプトを決めていきました。
ホームページには、サービス内容、料金、対象となるお客様、他のジムとの違いなどを掲載しなければなりません。
そのため、ホームページを作る過程で、自然と次のことを考える必要がありました。
- どのようなお客様に来てもらいたいのか
- お客様はどのような悩みを抱えているのか
- 自分のジムを選ぶ理由は何か
- 他のパーソナルジムと何が違うのか
- どのような価格であれば通い続けられるのか
- 自分自身がお客様なら、このジムを利用したいと思うか
ホームページは、完成したサービスを掲載するだけのものではありません。
作成する過程そのものが、サービスやコンセプトを整理する機会になります。
これから開業する方にも、物件を契約してからホームページを作り始めるのではなく、コンセプトを考える段階からホームページの文章を作ることをおすすめします。
パーソナルジムを開業するまでの流れ

私の経験と現在の考えを踏まえると、パーソナルジムは次の流れで開業準備を進めるのがおすすめです。
1.開業する目的を明確にする
最初に考えるべきなのは、物件やトレーニングマシンではありません。
「なぜパーソナルジムを開業したいのか」を明確にすることです。
独立後は、思ったように問い合わせが来なかったり、売上が安定しなかったりする時期もあります。
そのときに、単に「自由になりたい」「トレーニングが好きだから」という理由だけでは、判断がぶれやすくなります。
私の場合は、好きなことと得意なことを仕事にし、長く続けられる仕事を作りたいという思いがありました。
自分の生活のためだけでなく、どのようなお客様に、どのような価値を提供したいのかまで考えておくことが重要です。
2.お客様視点でコンセプトを決める
次に、ジムのコンセプトを決めます。
ここで注意したいのは、トレーナー側の理想だけで考えないことです。
たとえば、
「最新のトレーニングマシンを置きたい」
「黒を基調とした高級感のある内装にしたい」
「自分が好きなトレーニングを提供したい」
という内容は、あくまでも経営者側の希望です。
お客様が求めているのは、マシンや内装そのものではありません。
ダイエット、姿勢改善、運動不足の解消、痛みの予防など、自分の悩みが解決されることを求めています。
コンセプトを考える際は、次の質問に答えられる状態にします。
自分がお客様の立場だった場合、本当にこのパーソナルジムにお金を払って通いたいと思うか。
この視点が抜けると、経営者が作りたいだけのジムになってしまいます。
3.必要な資金を計算する
コンセプトが決まったら、開業に必要な資金を計算します。
計算するのは、物件取得費やトレーニングマシン代だけではありません。
オープン後すぐに売上が安定するとは限らないため、運転資金も必要です。
私の場合は、当面の運転資金として50万円を準備しました。
開業資金は融資を活用
資金計画を立てる際は、初期費用だけでなく、オープン後3か月間の家賃やその他の固定費も確認しておくことをおすすめします!
4.出店エリアの相場を調べる
私は、物件を探し始めてから約1か月で契約しました。
内見した件数は3件です。
結果的に、物件の雰囲気を気に入り、ほぼ即決に近い形で契約しています。
しかし、今振り返ると、もう少し時間をかけるべきでした。
これから物件を探す方には、契約を急ぐ前に、3か月程度はSUUMOなどの不動産サイトを見続けることをおすすめします。
毎日見ていると、エリアごとの家賃相場や、長期間掲載されている物件、新しく出てきた物件の条件が分かるようになります。
相場が分からない状態では、目の前の物件が本当に安いのか、高いのかを判断できません。
気に入った物件を見つけても、すぐに契約するのではなく、比較できる情報を持っておくことが重要です。
5.物件を内見して契約条件を交渉する
私は物件をほぼ即決したため、家賃や仲介手数料の交渉ができませんでした。
これも、1店舗目の開業で後悔していることの一つです。
すべての物件で値下げができるわけではありませんが、交渉できるかどうかを確認することはできます。
数千円の家賃差でも、何年も営業すれば大きな金額になります。
家賃が月1万円違えば、年間では12万円、5年間では60万円の差です。
物件を気に入っていても、その気持ちを最初から出しすぎず、契約条件を整理したうえで交渉することが大切です。
私がもう一度開業するなら、物件の雰囲気だけで決めず、家賃や仲介手数料について必ず相談します。
6.内装とトレーニング環境を整える
物件が決まったら、内装やトレーニング環境を整えます。
私の場合は、次の費用がかかりました。
- 内装工事:100万円
- トレーニングマシン・器具:100万円
- 鏡・床材・照明など:30万円
合計すると、内装と設備だけで230万円です。
1店舗目だったこともあり、おしゃれでかっこいい空間を作りたいという気持ちがありました。
完成した内装の品質は高く、店内や外観を見ると自分自身のモチベーションも上がりました。お客様からも、きれいでおしゃれな空間として喜んでいただけました。
しかし、現在は内装に対する考え方が変わっています。
この点については、後ほど詳しく説明します。
7.ホームページを公開して集客を始める
ホームページは、オープン直前ではなく、できるだけ早い段階から準備します。
私のジムでは、オープン当初から主に次の方法で集客しました。
- ホームページ
- SEO
- お客様からの紹介
最初のお客様も、ホームページを見て来店してくださいました。
広告を出せば、すぐに一定数の人へ情報を届けられる可能性があります。しかし、広告を止めると集客も止まりやすくなります。
そのため、開業当初からホームページとSEOを軸に、持続的に問い合わせが入る仕組みを作ろうと考えていました。
1店舗目の開業で最も大変だったこと

開業準備で最も大変だったのは、1階の床を平らにする作業です。
借りた一軒家の1階は、もともと車庫として使われていました。
車庫の床は、水が外に流れるように傾斜がついています。そのままトレーニングマシンを置くと、マシンが傾き、安全にトレーニングできません。
そこで、マットや下地を使用して、傾斜のある床を水平に近づける必要がありました。
物件の写真や雰囲気だけを見ていると、床のわずかな傾きには気づかないことがあります。
しかし、パーソナルジムでは重い器具を設置し、お客様が身体を動かします。床の傾きや段差は、実際の営業に大きく影響します。
物件を内見する際は、見た目だけでなく、トレーニングマシンを安全に設置できるかという視点で確認しなければなりません。
内装工事に100万円かけたことは失敗だったのか
1店舗目では、内装工事に100万円をかけました。
工事の品質自体には、非常に満足しています。
店外も店内もおしゃれになり、自分自身のモチベーションも上がりました。お客様にも喜んでいただけたため、完全に無駄だったとは思っていません。
一方で、経営という視点で考えると、ここまで内装にお金をかける必要はなかったと感じています。
お客様がパーソナルジムに来る一番の目的は、おしゃれな空間を見ることではありません。
トレーニングを受けて、身体を変えるためです。
もちろん、清潔感や最低限の快適さは必要です。しかし、内装に100万円をかけたからといって、それだけでお客様が継続して通ってくださるわけではありません。
また、今では「自分のモチベーションを上げるために内装費をかける」という考え方もしていません。
経営者は、モチベーションが高い日だけ仕事をするわけにはいきません。気分に関係なく、お客様に必要なサービスを提供し、集客や改善を続ける必要があります。
そのため、内装工事をしたのは1店舗目だけです。
2店舗目以降は、お客様にとって本当に必要な環境を優先し、過度な内装工事はしていません。
内装費を抑えても清潔感は妥協しない
内装工事をしないことと、汚い店舗でよいということは全く違います。
お金をかけた豪華な内装は必須ではありませんが、清潔感、安全性、明るさ、整理整頓は必要です。
費用をかけるかどうかは、次の基準で判断するとよいと思います。
その費用は、お客様の結果や通いやすさ、安全性に本当につながっているか。
自分が作りたい空間ではなく、お客様が安心してトレーニングできる空間を作ることが大切です。
物件選びで失敗したこと
物件選びでの一番の失敗は、雰囲気を気に入ってほぼ即決してしまったことです。
契約を急いだ結果、家賃や仲介手数料について十分な交渉ができませんでした。
当時は「この物件を他の人に取られたくない」という気持ちがあったと思います。
しかし、開業後に改めて考えると、物件はかっこよければよいわけではありません。
パーソナルジムは、毎月の家賃を払い続けながら運営します。そのため、家賃は安ければ安いほど経営上の負担が軽くなります。
もちろん、駅からの距離や周辺の顧客層、トレーニングできる広さなども重要です。
ただ、見た目のかっこよさに対して毎月高い家賃を払い続ける必要があるのかは、慎重に判断するべきです。
契約前に3か月は相場を見る
これから物件を探す場合は、3か月程度、希望エリアの物件情報を見続けてみてください。
確認する項目は、次のような内容です。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 家賃 | 毎月無理なく支払い続けられるか |
| 初期費用 | 保証金や仲介手数料を含めていくら必要か |
| 広さ | 本当に必要な広さか |
| 駅からの距離 | 想定するお客様が通いやすいか |
| 床の状態 | 傾斜や段差がないか |
| 物件の形 | マシンを安全に配置できるか |
| 周辺環境 | お客様が不安なく来店できるか |
| 契約条件 | パーソナルジムとして利用できるか |
複数の物件を継続して見ることで、自分なりの判断基準ができます。
雰囲気だけで即決せず、数字と条件を比較することが大切です。
エリア選びでは開業後も不安になった
開業前後に不安を感じたのが、出店エリアの選定です。
物件を決めた後も、
「あのエリアの方が集客しやすかったのではないか」
「もっと人通りが多い場所にすればよかったのではないか」
「別の駅で出店した方がよかったのではないか」
と考えることがありました。
どうしても、隣の芝生は青く見えます。
自分が選んだエリアの弱い部分は目につきますが、他のエリアについては良い部分だけが見えやすいからです。
もちろん、契約前に周辺の相場や競合、想定するお客様について調べることは重要です。
しかし、十分に調べて決めた後は、そのエリアで成果を出すための行動に集中するしかありません。
完璧なエリアを探し続けるより、一定の条件を満たした場所で小さく始め、お客様の反応を見ながら改善する方が前に進めます。
オープン初月の問い合わせは3件、売上は10万円

オープン初月の問い合わせ数は3件で、売上は10万円でした。
最初から多くのお客様が来たわけではありません。
会社員を辞めて専業になったため、問い合わせが少ない状況に不安がなかったわけではありません。
それでも、最初のお客様がホームページから来てくださったことで、自分が考えた集客方法が間違っていないことを確認できました。
その後も改善を続け、オープンから約3か月で損益分岐点を超えることができました。
この経験から、開業前にホームページを作っておくことは非常に重要だと考えています。
店舗が完成してから集客を考えるのでは遅い場合があります。
物件探しと並行して、ホームページの文章やサービス内容を作り、オープン前からお客様に見つけてもらえる状態を目指すべきです。
広告費をかけずにホームページとSEOを選んだ理由

私は開業当初から、広告費をできるだけかけず、ホームページとSEOを中心に集客する方針を考えていました。
一般的な企業を見ると、広告費が経営コストの中で大きな割合を占めることがあります。
そこで、広告費を抑え、その分をお客様が利用しやすい価格に反映できれば、ジムの強みになると考えました。
広告を否定しているわけではありません。
短期間で認知を広げたい場合など、広告が有効な場面もあります。
ただし、広告だけに依存すると、広告費を払い続けなければ問い合わせを維持できない状態になる可能性があります。
そのため、私は時間がかかっても、ホームページやSEOを通じて継続的に問い合わせが入る仕組みを作ることを優先しました。
ホームページは安く作ることもできる
私が1店舗目のホームページ制作にかけた費用は、約1万円です。
制作会社に依頼せず、自分で作成したため、費用を大きく抑えることができました。
看板やチラシも自分で作成したため、費用は約1万円です。
ホームページと看板・チラシを合わせても、合計2万円でした。
すべての人が自分で作る必要はありませんが、開業初期にお金をかけるべき場所を見極めることは重要です。
見た目が完璧なホームページを作ることより、お客様が知りたい情報を分かりやすく掲載する方が大切です。
最低限、次の内容は明確に掲載する必要があります。
- どのような人向けのジムなのか
- どのような悩みを解決できるのか
- どのようなトレーニングを行うのか
- 料金はいくらなのか
- どこにあるのか
- 誰が指導するのか
- どのように申し込めばよいのか
ホームページ制作を外注する場合でも、文章やコンセプトまで制作会社に任せきりにしない方がよいと思います。
お客様のことを最も理解しなければならないのは、経営者自身だからです。
トレーナーの能力だけでは経営できない

開業前は、トレーナーとしての技術や知識を高めることが重要だと考えていました。
もちろん、トレーナーとしてお客様に結果を提供する能力は必要です。
しかし、開業後に強く感じたのは、お客様がいなければ、トレーナーとしての能力を発揮する機会すらないということです。
どれだけ身体に詳しく、指導技術が高くても、その存在がお客様に知られていなければ予約は入りません。
パーソナルジムを継続して経営するためには、持続的に集客できる仕組みが必要です。
トレーナーとしての勉強と同じように、次のことも学ばなければなりません。
- マーケティング
- ホームページ
- SEO
- 文章の書き方
- 価格設定
- お客様の心理
- 継続してもらうためのサービス設計
- 売上と固定費の管理
独立すると、トレーナーであると同時に、経営者になります。
セッションだけをしていればよいわけではありません。
お客様を集め、満足してもらい、継続して通っていただける仕組みまで作る必要があります。
未経験からパーソナルジムを開業するならトレーナースクールもおすすめ
未経験からパーソナルジムの開業を目指す場合は、トレーナースクールで学ぶことも選択肢の一つです。
パーソナルジムは、物件を借りてトレーニングマシンを設置すれば開業できるわけではありません。
実際のセッションでは、お客様の身体の状態や運動経験、生活習慣、目標などを確認したうえで、その方に合ったトレーニングを提案する必要があります。
たとえば、次のような知識や技術が求められます。
- 解剖学や運動生理学の基礎知識
- 姿勢や身体の動きの評価
- お客様に合わせた種目の選択
- トレーニングフォームの修正
- プログラムの作成
- ケガのリスクを抑えるための判断
- お客様への説明やコミュニケーション
- 継続して通っていただくための提案
これらを本や動画だけで学ぶこともできますが、知識を覚えることと、実際のお客様に指導できることは別です。
私自身も、独学で勉強していた時期があります。しかし、教科書を読んで理解したつもりでも、実際のセッションでどのように使えばよいのか、自分の指導が本当に正しいのかを判断するのは簡単ではありません。
特に未経験の場合、自分では正しく指導できているつもりでも、姿勢の見方や種目の選び方、声のかけ方に改善点があることに気づけない可能性があります。
トレーナースクールのメリットは、知識を体系的に学べることだけではありません。
実技を見てもらい、その場で第三者からフィードバックを受けられることに大きな価値があります。
資格を取るだけで終わらないスクールを選ぶ
トレーナースクールを選ぶ際は、資格取得だけを目的にしないことが大切です。
資格を持っていることは、基礎知識を学ぶきっかけになります。しかし、資格を取得しただけで、お客様に満足していただけるセッションができるとは限りません。
未経験から開業を目指す場合は、次のような点を確認することをおすすめします。
- 実技指導の時間が十分にあるか
- 実際に身体を評価する練習ができるか
- 一人ひとりの苦手分野を見てもらえるか
- 現役のパーソナルトレーナーから学べるか
- お客様とのコミュニケーションも学べるか
- 開業後の現場を想定した指導を受けられるか
- 分からないことを質問しやすい環境か
大人数の授業では、講義内容を理解できても、自分のフォームや指導方法を細かく見てもらえないことがあります。
未経験からできるだけ早く現場で通用する力を身につけたい場合は、個別指導や少人数制など、実際に自分の指導を確認してもらえる環境が向いています。
技術を身につけてから開業した方が集客にも自信を持てる
開業には、マーケティングや集客の知識が必要です。
しかし、集客に成功しても、お客様に満足していただけるサービスを提供できなければ、長期的な経営にはつながりません。
ホームページやSNSで魅力的な言葉を発信しても、実際のセッションに自信がなければ、価格設定やサービスの提案にも迷いが出ます。
反対に、身体の評価やトレーニング指導に一定の自信があれば、
「どのようなお客様に、どのような価値を提供できるのか」
を具体的に説明しやすくなります。
これは、ホームページの文章やジムのコンセプトを考える際にも役立ちます。
パーソナルジムの経営では、集客する力と、来ていただいたお客様に結果を提供する力の両方が必要です。
Lスクールでは開業後の現場を想定して学べる
私たちが運営する個別指導Lスクールでは、未経験からパーソナルトレーナーやジム開業を目指す方に向けて、1対1で指導しています。
決められた内容を一方的に進めるのではなく、受講生一人ひとりの経験や目標、苦手分野に合わせて学習内容を調整します。
知識を覚えるだけでなく、実際のお客様への指導を想定しながら、身体の評価、種目選択、フォーム修正、プログラム作成、コミュニケーションなどを実技を交えて学びます。
LIGHT FITを8店舗運営してきた現場経験も踏まえ、トレーナーとして働くことだけでなく、将来的に自分のパーソナルジムを開業したい方にも役立つ内容を提供しています。
未経験から開業を考えているものの、
「何から勉強すればよいか分からない」
「独学だけでお客様を担当するのが不安」
「自分の指導が正しいのか確認してほしい」
と感じている方は、開業前にトレーナースクールで基礎と実技を身につけることも検討してみてください。
ただし、スクールに通えば必ず開業が成功するわけではありません。
スクールで学んだ内容を現場で実践しながら、集客やマーケティング、店舗運営についても自分で学び続けることが重要です。
トレーナーとしての技術と、経営者としての能力。その両方を準備することで、開業後にお客様から選ばれ続ける可能性を高められます。
未経験からパーソナルトレーナーやジム開業を目指す方は、個別指導Lスクールの詳細もご覧ください。
個別指導Lスクールの
開業前はマーケティングにたくさん触れるべき
これからパーソナルジムを開業したい方には、マーケティングにたくさん触れてほしいと思います。
難しい専門用語を覚えることより、まずは日常生活の中で、自分の消費行動を言語化することがおすすめです。
何かを購入したときに、次のことを考えてみてください。
- なぜ、この商品を買ったのか
- どこで、この商品を知ったのか
- 他の商品ではなく、なぜこれを選んだのか
- 購入前に、どのような不安があったのか
- 何が購入の決め手になったのか
- 価格が高くても買おうと思った理由は何か
- 購入しなかった商品は、なぜ選ばなかったのか
この作業を繰り返すと、お客様が商品やサービスを選ぶときの考え方が少しずつ理解できるようになります。
そして、自分のパーソナルジムについても、同じ視点で考えます。
自分がお客様だった場合、このパーソナルジムを本当に利用するか。
自分自身が利用したいと思えないサービスを、他のお客様に選んでもらうのは難しいと思います。
価格、場所、サービス内容、トレーナー、予約方法、ホームページなどをお客様の立場から見直すことが重要です。
パーソナルジムの開業資金は最低いくら必要か
私の1店舗目では362万円かかりましたが、現在の私なら、最初からここまで大きな金額はかけません。
小さく始めることを前提とするなら、最低でも50万円程度は準備したいと考えています。
ただし、これは「50万円あれば、どのような条件でも開業できる」という意味ではありません。
物件の初期費用、家賃、導入する器具、内装の状態などによって、必要な金額は大きく変わります。
大切なのは、最初から理想をすべて実現しようとしないことです。
たとえば、次のような考え方で費用を抑えられます。
- 最初は小さな物件を選ぶ
- 必要最低限の器具だけを導入する
- 過度な内装工事をしない
- ホームページやチラシを自分で作る
- 家賃の低い物件を探す
- 売上が増えてから設備を追加する
最初から大きなジムを作っても、お客様が来るとは限りません。
先に固定費を大きくすると、毎月必要な売上も高くなります。
まずは小さく始め、お客様が増えた段階で設備や店舗を拡大する方が、リスクを抑えられます。
運転資金は3か月分を用意する
私は、運転資金として50万円を準備しました。
これから開業する方にも、少なくとも3か月分の運転資金を用意しておくことをおすすめします。
オープン直後から、予定どおりに問い合わせや入会が増えるとは限りません。
私の場合も、初月の売上は10万円でした。
損益分岐点を超えたのは、オープンから約3か月後です。
仮に初月から売上が伸びなくても、すぐに生活や経営が立ち行かなくならないように準備しておく必要があります。
開業資金を計算する際は、次のように分けて考えると分かりやすくなります。
必要な資金=開業するための初期費用+営業を続けるための運転資金
すべてのお金を内装やマシンに使ってしまうと、オープン後の資金が残りません。
理想の店舗を作ることより、店舗を継続できる状態を作ることが優先です。
パーソナルジムは小さく始めるべき

これから初めてパーソナルジムを開業するなら、私は小さく始めることをおすすめします。
1店舗目から広い物件を借り、高額な内装工事を行い、多くのマシンを導入する必要はありません。
お客様が求めているのは、マシンの台数ではなく、自分に合った指導と結果です。
必要最低限の環境でスタートし、実際のお客様の声を聞きながら改善していく方が、無駄な支出を減らせます。
開業前に考えていた理想と、実際にお客様が求めるものが一致するとは限りません。
私自身、内装工事に100万円をかけましたが、開業後に、お客様が最も求めているのは内装ではないことに気づきました。
最初から正解を作ろうとするのではなく、小さく始めて、営業しながら正解に近づけていくことが大切です。
もう一度開業するなら変えること
私がもう一度1店舗目から開業するとしたら、大きく2つのことを変えます。
内装工事を最小限にする
清潔感と安全性は確保しますが、おしゃれさを目的とした大規模な内装工事は行いません。
内装に使う予定だった資金は、運転資金として残すか、お客様の結果につながる設備やサービスに使います。
家賃と仲介手数料を交渉する
物件を気に入っても即決せず、周辺相場を確認したうえで契約条件について相談します。
特に家賃は毎月発生するため、少しの差が長期的には大きな違いになります。
物件の雰囲気よりも、固定費を抑えて経営を続けやすい条件を優先します。
開業を急がない方がよい人
個人的には、
「どうすれば開業できますか」
「自分は開業した方がよいですか」
と、最初から答えをすべて他人に求めてしまう方は、開業を急がない方がよいと思っています。
人に相談すること自体が悪いわけではありません。
ただ、現在はGoogleやAIを使えば、開業に必要な情報の多くを自分で調べられます。
物件の探し方、必要な費用、ホームページの作り方、集客方法などを調べたうえで、自分なりの案を作ることができます。
それにもかかわらず、何も調べずに誰かから正解を教えてもらおうとする姿勢では、開業後の判断も遅くなります。
経営を始めると、毎日のように自分で判断しなければならないことが発生します。
誰かが常に正解を教えてくれるわけではありません。
まず自分で調べ、仮説を立て、数字を出し、行動する。そのうえで、経験者や専門家に相談することが大切です。
開業前から、この習慣を身につけておく必要があります。
パーソナルジム開業前のチェックリスト
開業前には、少なくとも次の内容を自分の言葉と数字で説明できる状態にしておきましょう。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 開業目的 | なぜ会社員を辞めてまで開業するのか |
| ターゲット | どのようなお客様に来てほしいのか |
| お客様の悩み | どのような問題を解決するのか |
| コンセプト | 他のジムと何が違うのか |
| 料金 | お客様が継続でき、経営も続けられる価格か |
| 物件 | 家賃、広さ、立地、床の状態に問題はないか |
| 初期費用 | 開業までに合計いくら必要か |
| 運転資金 | 売上が少なくても3か月間営業できるか |
| 集客方法 | どこから問い合わせを獲得するのか |
| ホームページ | お客様が必要とする情報を掲載できているか |
| 損益分岐点 | 毎月いくら売上があれば赤字にならないか |
| 自分のサービス | 自分がお客様でも利用したいと思えるか |
この質問に答えられない状態で物件を契約すると、開業後にコンセプトや料金がぶれやすくなります。
まずは紙やパソコンに書き出し、曖昧な部分を一つずつ整理してみてください。
パーソナルジムの開業に関するよくある質問
パーソナルジムの開業にはいくらかかりますか?
私が2022年1月に1店舗目を開業した際は、合計362万円かかりました。
ただし、そのうち100万円が内装工事費、100万円がマシン・器具代です。
小さな物件を選び、内装工事や導入する器具を最小限にすれば、費用は抑えられます。現在の私なら、最低50万円程度を一つの目安にしながら、別途3か月分の運転資金を準備します。
開業準備にはどれくらいの期間が必要ですか?
私の場合は、開業を決めてからオープンまで約半年かかりました。
特に物件については、すぐに契約するのではなく、3か月程度は希望エリアの相場を見ておくことをおすすめします。
内装工事は必要ですか?
豪華な内装工事は必須ではありません。
私の1店舗目では100万円をかけましたが、内装工事をしたのは1店舗目だけです。
お客様が安全かつ快適にトレーニングできる清潔な環境は必要ですが、おしゃれさだけを目的とした工事は慎重に判断した方がよいと思います。
開業前から集客を始めるべきですか?
ホームページやSNSなど、準備できるものは開業前から始めるべきです。
私の最初のお客様は、ホームページを見て来店してくださいました。
店舗が完成してから集客を始めるのではなく、コンセプト作りと並行してホームページを準備することをおすすめします。
法人を設立してから開業する必要がありますか?
私は1店舗目を個人事業主として開業したため、法人設立費用はかかっていません。
最初から法人を設立するか、個人事業主として始めるかは、事業規模や今後の計画によって判断する必要があります。
まとめ|最初から完璧なジムを作る必要はない
私が2022年1月に野田阪神で1店舗目を開業した際、合計362万円の費用がかかりました。
内訳として大きかったのは、内装工事の100万円と、トレーニングマシン・器具の100万円です。
内装の完成度は高く、お客様にも喜んでいただけました。しかし、現在は、1店舗目からここまで内装にお金をかける必要はなかったと考えています。
また、物件の雰囲気を気に入ってほぼ即決したことで、家賃や仲介手数料の交渉ができなかったことも反省点です。
これからパーソナルジムを開業する方には、次のことを伝えたいです。
- 最初から大きな店舗を作らない
- 過度な内装工事をしない
- 物件契約前にエリアの相場を調べる
- 家賃や契約条件について相談する
- 3か月分の運転資金を準備する
- 物件より先に集客とコンセプトを考える
- ホームページを開業前から準備する
- トレーナー技術だけでなくマーケティングを学ぶ
- 自分がお客様でも利用したいジムを作る
私は会社員を辞め、好きなことと得意なことを仕事にするために、パーソナルジムを開業しました。
初月の問い合わせは3件、売上は10万円からのスタートでしたが、約3か月で損益分岐点を超え、現在は8店舗を運営しています。
最初から完璧な店舗を作る必要はありません。
まずは自分で情報を集め、お客様が求めるサービスを考え、小さく始める。そして、実際のお客様の反応を見ながら改善を続けることが大切です。
ぜひ、フィットネスを通して日本をより良くしていきましょう。
